デパートのバーゲンセールはそんなにお得感がないとわかり、
あまり行かなくなりましたが、必ず行ったバーゲンが3つありま
した。いずれも30年ほど前の話です。
某高級ブランド服バーゲン
デパートにも出店していた高級ブランドの洋服メーカーが、年に
2回、大きな本社ビルの2フロアーを使って大規模なバーゲンを
実施していました。シャツ、セーター、ズボンなど、そこそこ高
い商品を7割8割引きで大量に出品するので、大勢の人が詰め
かけました。ちなみに、私は定価で買ったことはありません。
妻と二人で行き、別々の会場に分かれて物色し、清算前に集合。
何度か行って場慣れしてくると、取り敢えずよさげな物を手あた
り次第確保し、後で妻のお眼鏡にかなわないのは返しました。
(お見立ての所があり、返品の箱があるのです)。
一部派手なデザインの商品があり、強面のお兄さんたちに大人気。
パンチパーマや金髪のお兄さんが来場し、普通のバーゲン会場と
はちょっと違った雰囲気の場所もありました。山積みの所から
シャツを取ろうとしたら、強面のお兄さんとバッティング。
「やばっ!」と思ったら、お兄さんがニヤッと笑って手を放して
くれました。人は見かけによりません。
7~8年間行ったでしょうか、ある時から品数がグッと減り、会
場も狭くなって、以前は長蛇の列だったレジ前もガラガラ。
変だと思っていましたが、その数年後、その会社は倒産してしま
いました。栄枯盛衰です。
その後、徐々に体型が進化してズボンは履けなくなりましたが、
品質が凄くよいのでもったいなくて捨てられません(いつか痩せる
かも)。セーターはいまでも毛玉にならずきれいなまま。でも、
70過ぎの爺さんが、外で着てたらギョッとされるようなデザイン
ですが。
某ブランド高級靴
知人に誘われ、知る人ぞ知る(私は知りませんでした)イタリアの
高級靴のバーゲンにも行きました。
案内が来た人のみのクローズドなバーゲンなので、知ってた人は
とてもラッキーです。わけあり品ということですが、キズなんて
ほとんどわからない程度。それが9割引きとかですからホントに
お得。開店前から大勢が並び、会場は殺気だっていました。
売れ筋のサイズは早い者勝ちで、いちいち履いてみるなんてとん
でもない。前記のバーゲンで覚えた大量捕獲戦術で袋に詰め、
その後ゆっくり品定めをしました。多少のサイズ違いは足を合わ
せるしかありません。ちなみに、この靴も定価で買ったことは
ありません。
最初は小さな事務所でやっていましたが、お客さんがどんどん
増え、その後ホテルでやるようになりました。でも、そのうち
あまり安いのは出なくなり、数年後にバーゲンは無くなりました。
聞くところによると、転売目的の業者が買いに来るようになった
からだとか。むかしから転売ヤーはいたのです。
以来数十年、大事に履いているのでいまだに靴は買ったことが
ありません。手入れをすればいまでもピカピカで、雨の日と
ラッシュの時は履きません(踏まれたら最悪)。
結局、服も靴も、いいものは素材もいいけれど、大切にするか
ら長持ちします。
真夜中のバーゲン
これは妻の話です。妻の知人の洋服店が年に何回かバーゲンを
やるのですが、懇意にしている人を特別に前の晩に招待してくれ
ました。
「真夜中のバーゲン」というのは妻のネーミングで、実際は8時
から10時ごろまで。子供たちを私の母や祖母に預け勇んで行き、
戦果を引っ提げて揚々と帰還しました。
それから妻は母と祖母の前でフアッションショーをし戦果を披露。
安く買えたことはもちろんですが、祖母や母から「それいいわね」
「似合うわよ」と褒められるのが無情の喜びだったみたいです。
バーゲン勘違い
妻はバーゲンという言葉に敏感で、車で街を走っているとき、妻
が急に「停めて!」と言いました。店の前に服が沢山下がってい
て、バーゲンと書いてあったというのです。
道が空いていたのでバックで戻り、よくよく見たら・・・
それは アクアラングのバーゲンでした。