技術の発達 電卓編

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私が電卓を初めて見たのは、大学の3年の終わ りごろだったと思います。 薬科大学の授業では、いろいろな実験をやらさ れますが、その中で実験結果から計算をして答え を出すという面倒なものがありました。 しかも、その計算が小数点6桁まである割り算と 掛け算で、この計算が大変なのです。 実験は4時ごろに終わるのですが、電卓のない 時代ですから、あとはひたすら筆算で、確か1時 間以上はかかったと思います。 答えが間違っていると最悪です。計算が間違っ ているのか実験結果が違うのか、それを検証す るのがまた大変でした。 家内とは大学時代に知り合ったのですが、先日 この話しをしたら、当時私は家内の計算もしてあげ ていたそうで、恋は盲目・・だったようです。 当時は、いまのパソコンよりも性能の悪いコンピュー ターが大型冷蔵庫2台分ぐらいの大きさがあった 時代ですから、小型計算機でもノートパソコンぐらい の大きがありました。価格も30万ぐらいしました から、個人で持つなんていうのは夢のまた夢。 実験もそろそろなくなる3年の終わりごろ、カシオ から「カシオミニ」という小型卓上計算機が発売さ れ、あたらし物好きな父が買ってきました。 確か当時1万円で大きさも筆箱ぐらいはありました が、個人で携帯できる画期的なものでした。 「コレであの悪夢の計算から逃れられる!」と喜 びましたが、よく見ると、なんと桁が6桁しかなく、 これでは計算ができません。 あとでスイッチの切り替えで12桁まで表示されると 知りましたが、結局実験も終わり、世紀の発明も 私の役にはたちませんでした。 今や電卓は高機能付きのものでも数千円、廉価 版なら100円ショップでも売られ、携帯電話の機能 の中にもほとんどが付いています。 いまの薬学生はさぞ楽をしていることでしょう。 カシオ計算機の歴史 http://www.casio.co.jp/company/history/chapter02/ ]]>

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