神田明神

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神田明神は、大己貴命(おおなむちのみこと=大黒さま)と、少彦名命 (すくなひこなのみこと=えびすさま)を祭っており、どちらも我々医薬品 メーカーとはゆかりの深い医薬健康の神様です。 021%20%20%20%E7%A5%9E%E7%94%B0%E6%98%8E%E7%A5%9E.jpg 宮司さんのお話を聞く会と思っていましたが、メンバーの1人である龍角 散の社長が氏子総代ということで、神社側のご好意で特別参拝をさせ ていただくことになりました。といっても、私は普通の参拝と思ってました。 裃(かみしも)の様な浄衣を着て、口と手を清めて表に出ると、そこには 2人の宮司、3人の楽師、2人の巫女さんが並んでいて、すでに儀式の 始まりです。その前に1列に並んでお祓いを受け、楽師を先頭に、巫女 さん、大宮司・小宮司・我々と続き、神殿の方へ大行進。周りの参拝者 は何事かと注目し、外人は喜んで写真を撮っていました。 003%20%20%E7%A5%9E%E7%94%B0%E6%98%8E%E7%A5%9E%E3%80%80%E6%95%B4%E5%88%97.jpg 005%20%20%20%E7%A5%9E%E7%94%B0%E6%A5%BD%E5%9B%A3.jpg 006-2%20%20%E7%A5%9E%E7%94%B0%E3%80%80%E3%80%80%E8%A1%8C%E5%88%97.jpg 医薬健康の神様を祭る神田明神ですが、私の記憶では家庭薬組合と して神田明神に参拝したことはありません。たぶん、医薬品業界が祭 る薬祖神は、上野の五條神社とつながりがあるからだと思います。 御神殿の中に入り一列に並んだ椅子に座ると、雅楽とともに儀式が始 まりました。大宮司の唱える祝詞(のりと)には、10社の社名と社長名 が入っており、しかも2度も読みあげていただくというありがたさ。 201009061630000%20%20%20%20%20%20%E5%86%85%E9%83%A8.jpg 009%20%20%20%E7%A5%9E%E7%94%B0%E3%80%80%E5%86%85%E9%83%A8.jpg 祝詞のあと、雅楽に合わせて巫女さんの舞がありました。きらびやかな 神殿の中で舞う巫女さんを見ていると、竜宮城の宴を連想しました。 011%20%20%20%E7%A5%9E%E7%94%B0%E3%80%80%E3%80%80%E5%86%85%E9%83%A8.jpg 最後に玉串ほうてんを行い、20分以上もかけた特別参拝は終了。 こんな時間をかけた本格的な参拝とは知らずオドロキでした。巫女さん の舞も初めて見ました。これも氏子総代のおかげです。 その後明神会館で、禰宜(ねぎ=宮司を補佐する職)からスライド使った お話がありました。以下はその要約です(多少聞き違いがあるかも)。 もともと神教は人々の健康を守ることに留意し、草もちにはハハコグサ・ ヨモギなどの薬草が使われ、白酒は薬種、菱餅は心臓を形どったもの。 また、神社に参拝する前のお清めは、感染症の予防につながった。 むかし三重地方では本草学(医薬の学問)が盛んだったそうで、伊勢神 宮では神主が薬を配っていたという事実もある。なお、地元出身の本居 宣長は、医者として薬も製造していた( あとで調べたら、特に小児用の 薬を作って成功したそうです。どんな薬だったのか? )。 日本の企業理念の話にもおよびました。 日本では2百年以上続く会社が3千社あるが、中国では9社、インドで 3社、韓国では0。日本に老舗が多い理由はいろいろあるが、多神教 文化も一つの要因ではないか。資本の論理の前に、倫理が優先して きた(海外では事業で成功するとすぐ売っちゃいますからね)。 老舗として残る条件は、勤勉・正直・倹約・堪忍・知短(身の丈を知る)。 日本は世界中でも数少ない多神教であり、日本人の心の文化である。 心と身体は一体で、薬(伝統薬)の研究は日本の心である。 以上、まあ大筋でこのようなお話でした。 大変わかりやすく、「目からウロコ」のようなお話を聞くことができ、大変 有意義な時間でした。 私見ですが、多神教といえば、いろいろな神が存在する神教のことを指 しますが、日本人は初詣に神社にお参りし、葬式では仏の前でお焼香、 そして結婚式では賛美歌を歌う、まさに多神教そのもの。 その柔軟性が日本の長い歴史と発展を支えてきたのかもしれません。 ]]>

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