薬局・ドラッグストアーで売られている一般薬は、卸を通して小売店に 売られているメーカーが圧倒的です。 私が会社に入った頃は、大きい薬局やチェーン店など少なく、個人経 営の薬局・薬店が沢山ありました。卸も1県に1件から数件あって、当 社の取引卸も40件近くあったと思います。 その後大型のドラッグストアーが急増するにつれ、流通の再編が行 われ、主な取引卸は4件にまで集約されました。今回、そのうちの2 件が合併し、一般薬では日本一の卸になったのです。 この新会社の会長になられた方は、私の卒業した薬大の3年先輩で、 初めて会ったのは30年以上も昔です。当時は、静岡にあった卸の社 長でしたが、次々に合併した結果、今回日本一の卸の会長になられ ました。 先日同窓会があったので、そのことを話したら、美術部の先輩にその 名前の人がいたとのこと。これは、ネタとして使えると思ってましたが、 よく調べたら別人でした。言わなくてよかった。 当日の午前中は、来賓の挨拶やら新会社の説明会。そのとき、新し いシステムの紹介がありました。アイパッドのようなハンディツールで、 動画でメーカー社員が商品説明をするのが見れるのです。 大手メーカー2社ほどの動画が紹介されたあと、当社のが出てびっく り。周りにいた仲間からどよめきが出ました。なにしろ、居並ぶ大手 を差置いて、200社450名の前で映されたのですから。 あとで聞いた話ですが、選考した新社長が、当社の営業マンの説明 が完結でわかりやすく「絶対これだ」と言われたとか。それにしても、 嬉しい出来事でした。 午後からパーティーがあり、終わった後に群馬まで移動。翌日、キン カンの工場見学があるので、今夜は家庭薬メンバーの懇親会です。 懇親会メンバーは、持ち回りで工場を見学していますが、今回は虫 刺されで有名なキンカンの工場です。この日の夕方から寒冷前線の 影響で寒くなり、群馬の夜は特に冷え込みました。 キンカンは、大正時代に軍の衛生兵だった先々代が、やけどの薬とし て創られました。その後、第一次大戦で使われたびらん性ガスの治 療薬として軍に採用されたとか。先々代は、沸騰するお湯を腕にかけ、 キンカンを塗ってみせたそうです。1980年代にやけどの効能を取り、 虫さされや肩こりの薬となりました。 おみやげにいただいた、キンカン製品詰め合わせ 工場内は、衛生管理も万全で、ガラス瓶が次々と自動で送られてくる のは見事。来年の夏に向け、続々と量産されてました。 この工場がふつうと違うのは、防爆対策がされていること。キンカンは、 大量のアンモニアとアルコールを使っており、スイッチやモーターの火 花が出ない対策が施されているのです。また消火設備も、強力な二 酸化炭素を使うとか。 すばらしい工場の見学を終え、お昼は地元で有名なおそば屋さんへ。 一見そば屋さんに見えないおしゃれな店で、シャレた器で創作そば定 食をいただきました。 別注文の玉子焼きもフワフワ。 昼食後東京へ。今晩は、家庭薬企画を実施してくれた地域量販の懇 親会があります。昼間結果説明会がありましたが、今回の工場見学 が先に決まっていたので、そちらは営業に任せ私は失礼しました。 家庭薬企画は2回目で、今回は15社の家庭薬メーカーが参加し、か なりの成果がありました。 懇親会場は駅から近い居酒屋。会場に着くなり、幹事から締めの挨 拶を頼まれました。昨年も頼まれ、まさか今年も頼まれるとは。 一度は断ったものの、社長が出席しているのは数社で、その中でも 私は年長者。ここは気持ちよく引き受けました。 40名ほどのメンバーですが、みんな酔っ払ってご機嫌です。こんな雰 囲気の中、シラフで締めの挨拶なんて・・・ いよいよお開きの時間になり、出番が来ました。乾杯の挨拶の時は おとなしかったのに、今度は私の名前が呼ばれただけで、歓声ととも に異様な盛上り。なんでやねん! 実は、食事しながら挨拶をずっと考えていました。 今回2回目ということで、宴席にふさわしいユーモアも交え、笑いも取っ て、考えた通りの挨拶ができました。ついでに当社の商品のアピール もすると、他のメーカーが笑いながらのブーイング。でも役得です。 還暦には、なかなかキツイ二日間でした。 ]]>