宇津薬師堂は、江戸時代中期に建てられ、毎年8月9日の薬師の日に、地元の方 たちと一緒に、健康を祈願してきました。ちなみに「一万燈」とは、仏教の考え方で、 一万の灯りを灯して、人々を健康に導くという意味があります。 当時娯楽のなかった時代に、一万燈祭の夜には旅芸人が芝居をやったり夜店が出 たり、後には映画や花火もやって、地元の人達はとても楽しみにしていたそうです。 小さい頃の記憶では、オートバイに映写機とフィルムを積んだ業者が来て、手製の スクリーンに映写。 チャンバラの途中でフィルムが切れ、大ブーイングになったり、 夕立がきて、急遽母屋の土間で映画を映したりもしました。 しかし、時代の流れにより、ここ半世紀ほどは身内だけで行事を行なうようになって ましたが、昨年、東日本大震災があり、一万燈祭に町長や地元の方たちをお呼びし て、町の復興を祈願しました。そのとき、町のお祭りがなくなったこともあり、むかし のような一万燈祭の復活を望む声がありました。そこで、今年当社の創業415年と いうこともあり、地元への貢献として、一万燈祭を復活させることになりました。 昨年は、地元紙の一面に載りました。ちなみに隣は、安愚楽牧場倒産の記事。 しかし、企業一社の力では、できることは限られます。祭りの目玉はどうしよう? どんなお店を出したらいいのか? 社員だけでは人手も足りないし・・・なかなか話は 進みませんでしたが、幸い、昨年お招きした高根沢町長のご賛同をいただき、町や 町の関連団体、観光協会、商工会議所などのご協力を得られることになりました。 本来は、一万燈祭は8月9日に行うべきで、昔からそれは変えてませんでしたが、 沢山の方や家族連れに来ていただきたいという長男の意見から、住職にお願いし て8月18日の土曜日に行うことになりました。 もう一つの問題は、薬師堂境内や、見学路となる庭の整備です。沢山のお客さんが みえるとなれば、笑われないようにきちんと掃除しなくてはなりません。というわけで、 今年は庭師としての正念場。もちろんプロにも頼んでますが、あまりに範囲が広く、 とても頼みきれません。6月ごろから手をつけてますが、お盆休みがラストスパート。 他にもいろいろ引き受けたので、今年は休み無しのお盆休みになりました。 工場の入口に、大きなドウダンツツジがあります。大きくなりすぎて、手入れもまま ならず、丸く刈ることもできません。今回、この裏手がメイン会場になるので、このま まではみっともない。そこで、前回行ったときに、バッサリと切るつもりでした。しかし、 いろんな人に反対され、「あれは宇津救命丸のシンボル」とまで言われたので、 大幅なイメチェンをして残しました。 こんなのが・・・ こんなふうに 敷地内には堀があり、子供が落ちたら大変です。プロに柵を作ってもらう時間もなく、 ならばと、自分で作ることにしました。しかし、それが思わぬ悲劇に。 つづく ]]>