70の手習い 購入編

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実家の敷地の回りに数百本の杉林がありました。密集して生えてい
上、竹や折れた枝、雑草などが絡まって、中に入り込めないジャングル
のよう。将来倒木の危険もあり、このままではどうしようもないので、
5年ぐらい前にプロに頼んで7割ぐらい切ってもらいました。
木の幹は持っていってもらいましたが、切り落とした大量の枝はあち
こちに小山のように積んだままで、それが思わぬ障害に。

杉林が無くなって開けた明るい場所になったのはいいけれど、今度は
陽当たりがよくなりすぎて、夏の雑草に悩まされることになりました。                                 時間がたったので枯れ枝の山はだいぶ小さくはなりましたが、夏はその
間から背丈もある雑草が生えてきて。

 

積み重なった枝で足場が悪く、それを刈るにも除草剤を撒くにもそば
に行くのが大変。平な地面だったら、新兵器のキャタピラ草刈機で楽
に刈れるのに・・・

 

工場でその話をしていたら、中古のユンボ(パワーシャベル)を買った
らどうかという話がでました。彼の家には古いユンボがあって、とっ
ても便利だとのこと。ちなみにユンボとはパワーシャベルの俗称です。

 

操縦免許も持ってないし、ユンボを買うなんて考えもしてませんでた。
そういえば最近近くに作業車の中古店が出来たらしいとのことで、話
ネタに見に行ってみることに。

 

バイパスにあるその店は、結構大きくてちゃんとした店構え。沢山
パワーショベルやフォークリフトが並んでます。
入り口に置いてある小さなユンボが目に止まりました。値段も手頃。
それを見ていると、若い店員さんが来て丁寧に説明してくれました
(どう見ても老夫婦の冷やかしなのに)。

 

でも、これはすでに売約済みだとのこと。残念。
すると、奥からベテランらしき人が来て、どういう状況で使うのか
聞かれました。そこで、敷地の広さややりたいことを説明すると、こ
んなちっちゃな物じゃ役に立たないと言われました。
そして、ちょうどいいのがあると、作業場の奥にあるショベルカー
所に連れていかれました。
え~!でっかい!(その時はそう見えました)。

 

もちろん中古ですが、きれいに塗装し直されていて、機関部もきれい。
絶対おすすめだそうです。ネットオークションで割安で出てますが、
たいていは品質とかメンテナンスで失敗してるとのこと。
この会社は、某有名建設機械会社に勤めていた人たちが作ったのだ
そうで、まあ安心でしょう。

免許を持っていないことを話すと、私有地内で作業するならいらない
とのこと。これでハードルは一つ下がりましたが、運転の仕方が・・・
「30分もやっていれば慣れますよ」と言ってましたが、こっちはもう
70ですからどこまで覚えられるか。
買うなんて考えてもいなかったので、一旦帰って悩むことにしました。

 

以前、夏に雑草刈りが 1度も出来なくて、迷子になるほど雑草が伸
びてしまったことがありました。手にを得なくなって業者に草刈りを
頼んだら、このユンボの価格の1/3ぐらいかかりました。
でも、これで整地すれば、草刈りがずっと楽になるはず。数日悩んで
購入を決定。

 

バケットだけじゃ穴を掘るだけなので、物をつかむ巨大なハサミみた
いなのもオプションで購入。整備して納車するのに10日ほどかかるそ
うです。

 

勢いで買ったはいいけど、さて、運転(と言うより操縦)をどうするか。
レバーが7本もあり、どれで何をするのかさっぱりわかりません。


でもYouTubeには何でも出てて、コマツのユンボの操縦法もあったの
で、それを見ながらイメージトレーニングしてました。

さて、ほんとに運転できるのか。

 

 

超短編 冬の足音