電話よもやま話

公開日: 

先日、テレビで電話機の進化の話を見ていて、いろんなことを思い出し
ました。

 

70年以上も生きていると、アナログがデジタルに変わり、AIだITだと
日々進化していく技術に驚くばかり。
人類が月にロケットを飛ばした頃のコンピューターは、部屋いっぱい
の巨大な物で、でも機能はいまの携帯電話よりも劣っていたのだとか。
たぶん私は、その進化した携帯の十分の一機能も使っていないと思う
けど。

 

会社で初めて買ったのは、パソコンではなくワープロでした。
机1つを占領し、大きなブラウン管テレビとキーボード、大きなプリンター
が付いてました。それで出来るのは文章を打って印刷するだけ。
いまこのブログの原稿は、片手で持った小さな携帯で打っています。

 

私が子供の頃は、電話をかけると交換手が出て、相手につながるまで
に数十分かかりました。急ぎの時は、「至急」で頼むと少し早く繋がっ
たようです。ダイヤル式になって初めてダイレクトにつながるように
なりましたが、まあ、そんな電話の歴史はおいといて・・・

 

学生時代には、もちろんまだ携帯なんかはありません。彼女の家にか
けるとたいていお父さんが出るので、いつもドキドキしながらかけて
いました。でもお父さんは、娘が誰と付き合っているかわかったで
しょうが、息子の時代は携帯があって家にはほとんどかかってこない
ので、誰と付き合っているのかさっぱりでした。

 

だんだん親しくなってくると話が長くなり、家に1台しかない電話機
を姉と取り合いになりました。いまは電話番号は携帯に入れてるので
まったく覚えられませんが、唯一覚えてるのは妻の実家の電話番号。
携帯無くしたら地獄です。

初めてデートした時はどちらかが日にちを間違えて会えませんでした。
もちろん、連絡しようもないので、諦めて帰るしかありません。
よく駅の伝言板に「1時間待った。もう帰る」とか書いてあると、
なんだか物悲しさがありました。
ちなみにその50年後の彼女は、いま隣で寝ています。

 

有効な待合せ場所は喫茶店でした。時間に遅れそうなときは店に電話
すると取次いでくれたものです。
学生時代に友人たちが栃木に遊びに来ることになり、宇都宮の喫茶店
で待合せすることに。どの店にするかは、店が決まってから実家の留
守番のお婆さんに伝えてもらうことにしました。

 

当日、そのお婆さんに伝言を聞くと、店の名前は「クロホエール」だ
と。クロホエール?黒いクジラ?日本語と英語が混じってる・・
不思議な名前と思いながら聞いた電話番号にかけると、店名は予想外
の「プロフィール」でした。聞き間違いにもほどがある。

 

もっとむかしは手紙の時代。母が亡くなってから、結婚前の父からの
手紙が見つかりました。「〇月〇日何時何分の汽車で宇都宮駅に行くの
で来て欲しい」と。でも、都合が悪かったらまた手紙を書いたので
しょうが、当時の郵便事情を考えると、待合せが決まるまで何週間か
かったやら。
そんなわけで、当時の待合せにはいろんな悲喜こもごもがあったで
しょう。それだけ。会ったときの嬉しさはひとしおだった?

 

いまや待合せはラインで「どこどこ付近で〇〇時頃」とアバウトな
やり取りでOK。まあ、会えないことはまずなくなったでしょうが、
なんか情緒がなくなりました。

 

むかしは、公衆電話は10円でかけ放題でしたが、あるときから3分10円
になってしまい、地方からかける時は10円玉をジャラジャラ持って
かけました。いまの子供達は、その公衆電話のかけ方をしらないとか。
そればかりか、うちの孫たちは、生まれたときから携帯電話しか見て
いないので、うちの固定電話を不思議そうに見ています。

 

話は変わり、ブログを書き始めた頃(17年前)、携帯で写真が撮れるよ
うになりましたが、画質が悪くてカメラは必ず持ち歩いていました。
いまや一眼レフは別にして、普通のコンパクトカメラよりも画質が
よく、それが瞬時に友人に送れるという夢のような時代。

 

喋るだけでネットでサーチするのはもう当たり前。写真を撮るだけで
その名前や製品名がわかるから驚きです。そして、何でもかんでもQR
コード。いまや説明書もQRコードです。
ちなみに、QRコードを考えたのは日本のデンソーなんですね。

 

われわれは外で食べる店を探すとき、ネットで口コミを見て参考にし
ますが、そんなのはもう古く、いまやSNSで選ぶ時代なんだとか。
その口コミですが、アンケートに〇を付けるだけで、かってにAIが口
コミの文章を作ってくれるのだとか。それに対するお店の返信も、
AIが作ってくれるというのだから・・・なんじゃそれ!
そのうちブログもAIが作ってくれるかも。

 

いまの携帯は、月ロケットを飛ばした時代のコンピュータの数十倍の
機能・・・私に使いこなせるわけがありません。

 

 

 

 

 

ユンボ危機一髪