ガス欠 危機一髪

公開日: 

裏磐梯は実家からわりと近く、夏でもさすがに涼しいので、子供が小さ い時によく夏休み中に家族で行きました。 朝起きると天気はあいにくの曇りで、栃木県の予報は曇り時々雨。あ~ ついてない。でも、福島県の予報は曇りのち晴れとのこと。最近の天気 予報はよく外れるので、「ほんとかな」と思いつつ決行することにしました。 東北道に入ってしばらく走っても、雲はだんだん厚くなるばかり。それど ころか、那須高原あたりで雨が降ってきてテンションは急降下。でも、こ こまで来たら引き返すより、取り敢えずは行ってみようということに。とこ ろが、福島県に入ると天気は一変、予報どうり青空が出てきました。 関東地方と東北地方とでは、こんなに天気が違うのでしょうか? 高速を降りて磐梯山の頂上付近に着きましたが、今度は天気がよすぎ て暑い・暑い。途中に立派な建物が目に入りました。プレートを見ると 諸橋近代美術館とあり、「ダリ展」をやっているとのこと。こんな所に来て までと思いつつ、涼しいだろう館内へ緊急避難。駐車場から照りつく歩 道を歩いていくと、半端なく広い敷地にものすごく立派な建物が出現し ました。 201008101110000%20%20%20%E3%83%80%E3%83%AA.jpg 中にはダリの作品が20点、その他ピカソやユトリロ、シャガールなどが 30点展示してありました。意外なところに意外な美術館。あとで調べた ら、郡山市在住の資産家のコレクションだそうで、地方にもすごいお金 持ちはいるものです。 入り口にある作品。ちょっと・・・いや、だいぶ難解です。 201008101152000%20%20%20%20%E3%83%80%E3%83%AA%E4%BD%9C%E5%93%81.jpg そろそろ昼時。通りかかったイタリアンレストランでランチにしました。有 名な店なのか、雑誌にでも載ってるのか、お客さんが続々入って来て並 んでました。価格もまあまあ、味もまあまあかな。 昼食後、いくつかの湖を回ったあと、私は日本の道100選にも選ばれた 磐梯吾妻スカイラインを通って帰るつもりでしたが、家内は、ショートカット して早く帰ろうと言います。結局、50キロほど遠回りですが、「景色がい いから」と家内を説得し、私の推奨ルートで帰ることにしました。 それが悪夢の始まり・・・ ここら辺には沢山の湖があります。 201008101054000%20%E3%81%BF%E3%81%9A%E3%81%86%E3%81%BF.jpg 201008101056000%20%20%E3%81%BF%E3%81%9A%E3%81%86%E3%81%BF%EF%BC%92.jpg 山の頂上に、ホテルのよな中学校が。 201008101204000%20%20%20%E5%B0%8F%E5%AD%A6%E6%A0%A1.jpg 燃料計が残り5分の一ほどになり、そろそろ給油をしないと。そう思いだ したころには、なかなかガソリンスタンドがありません。そうこうしている 間に、磐梯吾妻スカイラインに入ってしまいました。チケットには、全長29 キロと書いてありますが、たぶん有料道路内にガソリンスタンドはありま せん。でも何とか間に合うか? すると突然、私の予想より早く燃料の警告燈が点灯。警告燈が点いて も数十キロ走れるのは知っていますが、あまりいい気持ちはしません。 特にこんな山奥では。アップダウンの激しい道では、燃料の消費も多い はず。家内は引き返した方がいいと言いましたが、戻ってもどこにスタン ドがあるかわからないので、覚悟を決めてこのまま行くことに。 家内には心配ないと言いましたが、正直内心まずいと思いました。全長 29キロといっても、有料道路の出口にスタンドがあるとは限りません。 どこまで行っても山・山・山。ガス欠したらJAFを呼んで・・・携帯はつな がるのかな・・・こんな山奥に来るのに何時間かかるだろう・・・あっ、この まえJAF退会しちゃった・・・などと最悪のことを考え、きれいな景色なん てまったく見る余裕がありません。 地図上でちょうど半分ぐらいのとこで、大きな休憩所がありました。久々 にひと気のある場所です。そこの駐車場の管理人に、近くにガソリンスタ ンドがあるか聞いたところ、あと30キロ先とのこと。警告灯が点いてから 15キロほど走っているから合計45キロ。たぶんギリギリ。管理人に理 由を話し、念のために電話番号を調べてもらいました。でも、燃料が切れ た場所で、携帯がつながるかどうかが問題。 幸いこの休憩所が山の頂上みたいで、あとは下りの様子。昔やった燃 費を競うエコノミーランを思い出しました。まず燃費のかかるエアコンを 切り、エンジンの回転が上がらないようにュートラルで下りて行くことに。 道は空いているので、重力の法則だけで下っていきます。きついカーブ の所だけ、シフトをセカンドに入れてエンジンブレーキ(大変危険な運転 です。絶対まねをしないでください)。 しかし、こんなに登ってきたのかと思うぐらい、なかなか下界が近づきま せん。でも、この運転が功をそうしたのか、燃料計の針は動かないまま。 ちょっと冷や汗をかきながら、なんとか下の料金所に到着しました。係り の人にチケットを渡すより先にスタンドの場所を聞くと、7キロ先とのこと。 すこし安心し、気持ちに余裕ができましたが、ここからはほとんど平たん ・・・ま、ここでガス欠になっても山の中よりはマシです。 と心配をよそに、ほどなくガソリンスタンドに到着。いっきに疲れが出まし た。ガソリンの残量はどのぐらいだったのか?それはナゾです。 じつは、そのスタンドのガソリンはビックリするくらい高く、満タンにしなか ったのです。山の中で困ったら、いくら高くても払ったと思いますが、人間 なんて勝手なものです。 ]]>

記号