標高が上がるに連れ、気温がどんどん下がり、安房トンネルを抜け平湯に着くと、外 は快適な温度。ところが・・・平湯を過ぎると、また道は下っていきます。そして、目 的地の福地温泉に到着すると、気温はなんと30度! 涼しさを求めて奥飛騨に来 たのに、これは想定外。買い物に寄ったスーパーのおばさんによれば、今年の暑さ は異常とのこと。 かなり早く着いたので、以前下見した、新穂高温泉の立ち寄り湯へ。露天風呂から、 正面にアルプスの山が見え、すばらしい景色。 1回目のお風呂 時間が時間だけに、入っている人も1人だけ。温泉好きのお年寄りらしく、入浴セット の入ったかごを持ってます。そのお年寄りが、身体を洗ったタオルを、なんと湯船の 中でゆすいで出て行きました。分別のある(だろう)お年寄りが、これはいけません。 風呂を出て、家内と待ち合わせている大広間へ。テーブルが並び、立ち寄り湯を利 用したお客さん数名が、ゴロゴロ寝てます。さっそく家内に、さっきのお年寄りの非 常識さを、憤慨しながら話してました。ふと、離れたテーブルの上を見ると、見覚えの あるかごが・・・。これもレンタル? いや、待てよ。そのテーブルの横を覗くと、なんと、 さっきのお年寄りが横になってます。 のんびり缶コーヒーを飲んでいる家内の腕をつかみ、早々に退散しました。 宿に戻る途中、不思議な旅館を見かけました。 一つは、宿の前の大きなガラスケースに入った、等身大の牛の銅像?飛騨牛料理 が自慢ということなのでしょうが、真っ黒な牛は、夜見たら不気味でしょうねー。 もう一つは、ホテルの前に置かれた電車のオブジェ?? 駅のない山奥で、坂を登って 行くといきなり現れるのでビックリです。駅から40キロも離れている山奥に、なんでま た・・・ネットで見たら、中はカラオケルームだそうです。 どちらも目立つように置いたのでしょうが、飛騨の人は発想がユニーク。 3時前に宿にチェックイン。福地温泉には12件の宿しかなく、古民家を移築したのが ウリのようで、聞いた話では、九州の黒川温泉をモデルにしたとか。予約した宿は、 部屋数が12しかなく、すべて同じ造りで露天風呂付き。いまは、露天風呂付きが人 気だそうですが、料金設定も高く、我々にはまったく必要性を感じません。 というのも、旅番組で、よく露天風呂付きの部屋が紹介されますが、たいていは、景 色も見えない狭い場所に、とって付けたような小さな湯船。それが樽だったり、ひどい ところはユニットバスだったり・・・。広い大浴場の方が、ぜんぜんいいです。今回は 特別で、料理や値段で選んだら、たまたま部屋に露天風呂が付いていました。 建物も部屋もまさしく古民家風。部屋は広く、掘りごたつの部屋も付いてます。庭に は、石を使った本格的な露天風呂があり、ゆっくり二人は入れそう(いや、我々は入 りませんが)。 内風呂は檜で、洗い場が二つあり、そこから庭の露天風呂に出れます。 これは大事で、内風呂が露天風呂と離れてたり、内風呂が無いところがありますが、 冬は内風呂で温まってからでないと大変なことに。以前、冬に川治温泉に行き、い きなり露天風呂へ裸で出て、凍死しそうになりました。 福地温泉の目玉の一つは「もらい湯」。これは、宿泊する宿以外に、他の宿のお風呂 に入れてもらうというもの。ただし一回限りで、時間の制限と、浴衣を着て歩いて行く のが条件です。宿の人に、どこのお風呂がお勧めか聞いたら、この宿と向かいの宿 以外はかなり遠く、しかも途中は長い坂道とのこと。それを聞いたらもう決まり! 向かいの宿に行くことにしました。 実は、その宿もテレビに出ていて、今回の宿と最後まで迷いました。 早速浴衣に着 替え、かごを借りて向かいの宿へ。そこの内湯は大きな桧ぶろで、露天風呂は木々 と大きな石に囲まれいい雰囲気。誰もいなくて寂しいぐらいです。ただ、浴槽に落ち 葉と種?が沢山浮いていて、身体にまとわり付いてくるのがちょっと・・・でした。 2回目 宿に戻り、ここの風呂場を覗いてみることに。男女別々の露天風呂があり、夜9時を 過ぎると、どちらも貸し切り自由になるそうです。誰も入ってなかったので、ついでに 入っていくことに。内風呂も洗い場もないのが不便ですが、やっぱり部屋の風呂が ウリなのでしょう。景色を見ながら、ちょっとぬるめのお湯を楽しみました。、 3回目 夕飯前に、部屋の露天風呂にも入りました。目の前には、雄大な山々が見え、夕日 に染まる景色がすばらしい。誰にも気兼ねせず、写真を撮ったり寝転んだり。これで 他の旅館と同じぐらいの料金なら、ここはお得かもしれません。新しい旅館は、いろ いろ工夫をしています。 4回目 夕飯は広間で。足の出せる囲炉裏です。去年行った旅館と違い、今度はほんとに 炭火がおこって、鮎と五へい餅が焼かれてました。われわれの宿泊プランは、60才 以上限定の、「美味しいものを少しずつ 質重視」。 というもの。料理はどれも手がか かって、鮎もおいしく食べれました(よく、焼きすぎてパサパサだったりしますが)。 特に、メインの飛騨牛の焼き物は、もっと食べたかったー。 家内が撮りました。どうすれば、バカチョンでピンぼけに撮れるのか不思議です ドリンク1杯サービスですが、ソフトドリンクはこれ。飲みでがあって1本で十分。 おひつの残りご飯で、夜食のおにぎりを作ってくれるとのこと。ほとんど残ってなかっ たのに、足して作ってくれました。量少なめのプランを頼んだのに恥ずかしい・・・ ちょっとしたことですが、嬉しいサービスです。 食事が終わり、部屋に帰ってもすることがないので、また庭の露天風呂へ。そのあ と、せっかくなので、一人で貸し切り風呂へも行きました。使用中かと思ったら、二 つとも空いてたので、どうせなら昼間女風呂だった方へ。当然ながらまわりは真っ暗 ですが、薄明かりでいい雰囲気です。きょう六回目のお風呂。「!鉄腕ダッシュ」の TOKIOみたい。 6回目 翌日の天気予報は雨。あのNHK様が言っているのだから、間違いなく雨です・・・ と思ったら、朝から青空。一年分の運を使ってしまったかもです。朝ごはんには、私 の大好きな朴葉味噌がでました。このときだけは、塩分ハンターの家内もお目こぼし。 出発前に、近くでやっているという朝市へ。朝市といえば露天のイメージですが、長 屋のようなお店です。古い看板などが付いていて、これも客寄せの工夫でしょう。 宿を出て、途中平湯大滝へ寄りました。駐車場から滝まで歩いて800メートル。歩き かシャトルバスか・・・もちろん、足の退化しているわれわれはバス。時は金なりです。 あまりのいい天気に、まっすぐ帰るのがもったいない。松本市を通りぬけ、美ヶ原高 原を経由して帰ることに。しかし、これが失敗。景色はよかったのですが・・・グッタリ 疲れました。むかしはよく来たのに、もう若くはないのです。 とはいえ、予想外の好天と、コストパフォーマンスの優れた宿に泊まれて、いい旅行 となりました。 ` ]]>