母(親)の心 子知らず

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主人公は幼いころの私と姉。弟とは7才離れてい ますが、姉とは年子なので、二人の毎日の記録が 克明に書いてありました。 せっかく買ってあげた絵本が気に入らないとか、食 が細くてなかなか食事を食べてくれないとか、読む と子を思う母親の気持ちや悩みがよくわかります。 まさか、その食の細い子が、メタボ予備軍になるな んて想像もしなかったことでしょうが。    55年前の育児日記。食事メニュー付き 200807181002000%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20%20%E6%97%A5%E8%A8%98.jpg でも、子供なんて勝手なものです。 小さいころは、そんな親心など知りもせず、いつも 姉とわがままを言って困らせ、母親がプチ家出をし たこともあります。 お客さんの前で、姉とお土産のケーキを取り合って 大喧嘩をし、ブチ切れた母に押入れに閉じ込めら れました。 十代のころは反抗期で、母に悪態をついたり、つら く当たったこともありました(決して不良だったわけ ではありません)。 あるとき私が肺炎になり、一ヶ月ほど入院したこと があります。母は遠い病院まで、雨の日も風の日 も毎日見舞いに来てくれました。 そんな母に心から感謝しましたが、その気持ちを 口には出せず、退院してから手紙と一緒にケーキ を贈りました。 手紙を読んだ母は、泣き崩れてケーキを食べるど ころではありませんでした(母はかなり泣き虫)。 それからは母親に優しくしようと思い、逆らうことも なくなりました。 私が結婚すると、母は家内にも孫たちにもやさしく 接してくれました。 しかしそれから数十年、老いた母の介護をするよ うになると、訳のわからないことを言ったり、子供 のようにわがままを言う母に、つい声を荒げてしま うこともありました。 この育児日記を読み、改めて、もっと優しくしてあ げればよかったと後悔しています。 いまは、何かにつけて母親に辛らつなことを言う 子供たちに私は、「もっと優しくしてやれ。おまえた ちのことをずっと心配しているんだぞ。」と注意しま す。でも家内は言いました。「母親の愛とは無償 の愛なのだ」と。 時を同じくして、偶然家内が書いた育児日記も見 つけました。 将来、それを見た子供たちは何を思うのでしょうか。 ]]>

「夢」