内服薬の剤形には、丸剤、散剤、顆粒、カプセル、錠剤、 チュアブル、煎剤、シロップ、ゼリーなどがありますが、 最近ではシロップの分包などというのもあります(なにげ なくPR)。 一時は水に溶かして飲む錠剤・顆粒のかぜ薬がありま したが、日本人には馴じまなかったようです。またチュ アブルやゼリー剤も増えてきましたが、これもイマイチ。 日本人は薬に関しては保守的なのでしょうか? 日本に昔からあった薬は煎じ薬と丸剤です。 中国から伝わった漢方薬は、薬草を煎じて飲む煎剤が 多く、日本で独自に発展した和漢薬は生薬をそのまま 粉末にして丸めた丸剤が多いようです。 もちろん中国にも丸剤はありますが、製造方法からして 違うので日本製のようなきれいな球体は少ないようです。 これは中国製の巨大な丸剤(?) 飲むときは手でちぎって飲むので、丸剤とは 言えないかも。中国に多い剤形です。 小さな丸剤には、救命丸、奇応丸、六神丸(救心)など があり、大きな丸剤には正露丸、八味地黄丸、毒掃丸 などがあります。 丸剤は角がないので、小さなお子様や、のみ込む力の 弱いご老人に適しています。さらに救命丸のように銀箔 でコーティングすると、湿気や成分の揮発防止になりま す。古い救命丸(たぶん大正か昭和初期製)を噛んで みたら、まだ確かなジャコウの香りがしました。 また、銀箔には殺菌作用もあるので、動物性生薬を使っ ていても防腐剤や保存剤は必要ありません。 小さい粒が救命丸 大きい粒は大人用 ただ、丸めるためにもち米などを入れるので、成分の多 い薬は服用量が多くなってしまうのが欠点です。その ためか、最近は丸剤が少なくなっているのも事実です。 反面、健康食品を丸剤にして欲しいという要望が増え てきました。 救命丸を作るには、原料から製品になるまで一週間か かりますが、こういった手間のかかった剤形を作るのは 日本人の得意とするところ。その中でも、銀箔を付けた 丸剤の製造技術では、当社が日本一だと自負していま す。ということは世界一・・・かなあ?。 日本の伝統文化ともいえるこの技術を後世に残すため、 がんばらなくてはなりません。 ]]>