「かんむし」もそうですが、昔は病気の原因 は身体の中にいる想像上の虫が悪さをする ためだと考えられていました。 先日ある方から、九州国立博物館にその想 像上の虫が載っている針聞書(はりききがき) というのがあるとお聞きしました。 是非見てみたいと思いましたが、後日その方 から博物館で買った絵葉書をいただきました。 その一部を紹介します。 蟯虫(ぎょうちゅう) 庚申の夜に体より出て閻魔大王にその人の悪事 を告げる虫。 肺虫(はいむし) 肺にいる虫。飯を食べ、人玉にも変わる。 肝積(かんしゃく) 肝臓にいる虫。酸っぱい物が好きで、油くさい物 が嫌い。常に怒っているような顔の色である。 肝虫(かんむし) 大悪虫。からいものが好き、背骨のある寄生虫。 人の中で「そり」という病気を起こす。 脾臓の虫(ひぞうのむし) 脾臓にいる虫。食べ物を受けたり受けなかったり して、人がやせたり太ったりする。 これ以外にもまだまだいるのですが、ご興 味のある方は是非九州国立博物館へいら してください。 この中になぜか「疳虫」はいません(肝虫と は字も意味も違います)。 でも想像上の虫が病名となり、いまでも使 われているのは「かんむし」だけでしょう。 以前、「エヘン虫」というアニメを使ったのど 薬のコマーシャルがありました。 ある日その広告担当者が当局に呼ばれ、 薬のCMに「エヘン虫」などという架空の虫 を使ってはいけないと怒られたそうです。 その担当者はすかさず、「じゃあ、かんの むしは実在するんですか?」と聞き返し、 担当官は言葉に詰まったとか。 九州国立博物館 http://www.kyuhaku.jp/index.html ]]>