私が３０歳の頃、知人に「ライブハウスに面白い グループが出ているから見に行こう」と言われ、 夜の六本木に連れていかれました。 地下の薄暗いライブハウスに入って行くと、出番 を待っているグループにバッタリ。 彼らと顔を見合わせ、お互いに「あー！」っと叫び ました。なんとそのグループの中の二人が、私の 小･中･高の同級生、グッチ裕三とモト冬樹だった のです。まったく余談ですが、歌舞伎役者の勘三 郎（当時勘九郎）は私の後輩です。 当時彼らは、まだ無名の「ビージー・フォー」という バンドを結成し、ライブ活動をしていたのです。 出番前で緊張している彼らと別れて席に着くと、ほ どなく彼らのコントと歌が始まりました。 彼らのコントはとってもおもしろく、歌もうまくて驚き ました。たまたま英語の先生が同席していたので すが、英語の発音も完璧だと感心していました。 確か裕三は、中学時代に英語の成績が悪くて、私 と一緒に親の呼び出しを受けたような・・・ま、そん なことはいいですが、在学中それほど親しくはなか ったので、彼らにそんな才能があることは知りませ んでした。 出番が終わって我々の席にきた二人は、「同級生 に見られてすごく緊張した。」と言っていました。 しばし思い出話をして帰りましたが、高校時代つっ ぱっていた裕三が、出口で私にコートを着せてくれ、 彼らも苦労したんだなあと思いました。 その時は「我々はライブ活動をやりたいからテレビ なんかには出ない」などと言っていましたが、その 後の彼らの活躍はご承知のとおりで、グッチ裕三 はＮＨＫにも出演するまでになりました。 ある時アメリカに住んでいる姉が、ＮＨＫで彼の生 い立ちを見ていたそうです。 学生時代の写真が出たのでよく見ると、なんと後 ろにわが弟（私）が写っていてビックリしたそうです。 まさかアメリカで、テレビで弟の顔を見るとは思わ なかったと言っていました。 あれ以来彼らとは会っていませんが、現在裕三は、 偶然にも家庭薬仲間の「キンカン」のＣＭに出てい ます。 ]]>