続・郷愁  追記

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そのころ、実家の庭外れの薄暗い場所に、古 い石の手水鉢(ちょうずばち)がありました。 当時見たディズニーのマンガの影響でしょうか、 姉と二人で、それで魔法の薬を創ろうというこ とになりました。 といっても子供のこと、最初は台所から持って きた調味料や、薬箱の中の薬を入れたりして いました。それがだんだんエスカレートしてき て、倉庫にあった中身のわからない粉や缶の 中身を入ました。 さらに庭にいた虫やカエルの死体などを入れ、 最後は私がそこにオシッコをして完成。 できあがった不気味な色の液体に、なんだか 本物の魔法の薬を創ってしまった様な気持ち になり、姉とこのことは誰にも話さないと固く 誓い合いました。 そのあと、その魔法の液体がどうなったのか、 不安でしばらく近づけませんでした。 薬を調合する薬剤師の素質はこのころから あったのかも・・・ ]]>

続・郷愁