前から心臓が悪かったモルですが、最近咳がひどくなってきまし た。肥大した心臓が気管を圧迫して咳が出るそうです。散歩に 連れ行っても、すぐに疲れてしまいます。 さらに膀胱に石が溜まり、オシッコが出にくくなっていました。 それを溶かす成分の入った餌を食べさせていましたが、モルは それが大嫌い。いつも残していました。おかしなもので、リリはそ の餌が大好きでした。いつも別々に離して食べさせるのですが、 スキをみせると二匹で入れ替わり、お互いの餌を食べてました。 4月の中旬、震災で倒れた実家の灯篭を起こすため、子供たち と栃木に行ってました。ちょうど薬師堂の桜が満開。毎年、薬師 堂の敷地内で貸し切りの花見をするのですが、震災の後でもあ り、なんとなくモルの元気もないので、そんな気になりません。 心なしかなんとなく花もきれいに見えませんでした。 子供たちが東京に帰った夜、特に咳がひどくて、家内はかわい そうで寝れなかったと言ってました。翌日は散歩に連れていか ず、家の中でゴロゴロ。夕方、相変わらず餌を残していましたが、 私が夜中に台所に行くと後をついてきました。皿に残った餌を 手にとって食べさせると、よほどお腹が空いてたのか、ポリポリ と食べ、少し安心しました。その日はそんなに咳も出ず、少しよ くなったかなと思ってました。 翌日の朝寝ていると、家内に大声で呼ばれました。 行ってみると、モルが虚ろな目をしてふらふらしていてます。今 朝はウンチもオシッコもしたそうですが、急に様子がおかしくなっ たとか。そのままゴロンと横になりました。獣医に連れて行こう にもまだ早朝だし、第一どこにあるかもわかりません。 どうしようかと考えあぐねてる間に目の動きが止まり、ゆっくり息 をひきとりました。 とってもかわいがっていた家内は、一度だけ声を出して泣きまし たが、すぐに泣き止みました。考えたら、彼は幸せな一生で、み んなに看取られて死んだのだから心残りはない、と思いなおした ようです。いつもはめった来ない子供たちにも会えました。 もしかしたら、モルはそれを待っていたのかも・・・ リリがどんな反応をするのか見てると、トコトコと近寄ってきまし た。そして、横たわるモルを知らぬ顔でピョンとまたいでいきまし た。これにはビックリ。 その日は東京に帰る日でした。東京に連れ帰って動物の葬儀 社に火葬にしてもらおうかとお思いましたが、モルが好きだった 実家の、庭に埋めてやることにしました。 思うと、モルとの出会いは偶然でした。リリと一緒に買った雄犬 が病弱で、ブリーダーさんに代えてもらったのがモルです。 モルの本名は、アズナブール・オブ・キッツン・トモ・ジェイピー (何人?)。お父さんはアメリカチャンピオンだったそうです。 頭がよくて教えたことはすぐに覚え、愛想がよくて呼ぶとすぐに 飛んできました。弱虫で神経質でお医者さんが大嫌い。 11年間の命でしたが、われわれ家族に癒しを与えてくれました。 生後3ヵ月のモル トイレで寝ちゃった リリと一緒に 小さいときから礼儀正しく ちょっと大きくなりました 手術もしました 大好きなママの枕でお昼ね いつも二匹一緒でした さようなら モル ]]>