正しいプラモの作り方 GTR編

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以前はスカイラインGTRという名称でしたが、いまはニッサンGTRというそうです。 初代は、私が大学生のころに発売されましたが、ベストコンディションにエンジン を調整するのが大変で、1年のほとんどが修理工場にあるなんてウワサも。 また、クラッチやハンドルが重くて体力がないと運転できず、スカイラインの最上 級車種だと思って買った人が、運転できずにすぐ売却したという話もよく聞きま した。いまでは、だれでも最高の性能が引き出せるのでいい時代です。 彼から依頼を受けたのは三台目。自分でキットを買うというので、どうせなら タミヤの製品にして欲しいとリクエストしました。プラモに興味のない方でも、名 前ぐらいは聞いたことがあると思いますが、二つ星のマークは、いまや世界的 なブランド。その組み立て易さは、国内外のすべてのメーカーの中でダントツで す。組立説明書にはそのモデルの詳しい概要も書かれて有り、組立図や説明 もわかりやすく丁寧。他の業界のお手本にもなっているそうです。 以前彼のために制作した、BMWのロードスター。タミヤ製ではありません。 %E3%81%BD%E3%82%8BDSCF0358.JPG 彼からキットを渡されたのが昨年の8月末。前回の零戦では苦労した大きな マーク貼りもないし、塗装さえうまく塗れれば楽勝・・だと思ってました。ところが、 またまたいろんなトラブルに遭遇し、またもや苦戦。結局、完成までに4ヶ月も かかってしまいました。私の老い先短い貴重な時間が・・・ 作る前に、本物に試乗させてもらいましたが、3.8リッター V6 ツインターボエン ジンで、550馬力の加速は凄い。でも本当の性能は、ナビシステムと駆動系 が連動していて、サーキットに行かないと出せないそうです。 外観も迫力のあるスタイルですが、色は模型制作者にとってじつに難しい。 きれいな濃紺のメタリックなのですが、角度や日の当たり具合で色が違って 見えるのです。参考に外観と内装の写真を撮り、カタログを預かりました。 この色は、市販のプラカラーにはないので、自分で調合しなくてはなりません。 こんなとき、タミヤの親切な組立説明書が頼りになります。市販されてない色 は、ちゃんと色の配合量が書いてあるのです。さっそく塗装欄を見ると、ブラック、 レッド、ホワイトパール、シルバー・・・あれ?ブルーメタリックがない!なぜ? あとで友人に聞くと、ブルメタは発売後に追加されたそうです。あっちゃー。 仕方なく、撮った写真を持って、行きつけの模型店に相談に。店員は悩んだ末、 アメリカ空軍のブルー3種を選びました。早速帰って、写真とパンフレットの色を 見ながら調合開始。3種のブルーに赤、シルバーメタリックを加え、紫がかった ブルーメタリックの完成です。調合した色と塗装した色は違うので、プラ板にエア ブラシで試し塗りしながら調合。3種類のサンプルを作り、彼に送って選んでも らいました。 その間、塗装前の準備です。同じ色を塗る部品はあらかじめ車体に接着。 キットを成型する時にできた微妙な線を細い紙ヤスリで消します。最後に中性 洗剤で水洗いし、乾燥。塗装前は静電気で埃が着きやすいので、私は乾燥器 か冷蔵庫の中に入れときます。水滴を拭くときは、ティッシュペーパーは繊維が 着くので不可。必ずペーパータオルを使います。 024.JPG プラモデルの出来、不出来は塗装で決まります。特に車は、いかに表面をつる つるにして光沢を出すかがポイント。当然エアブラシで塗るのですが、うまく仕 上げるにはコツと年季が必要です。あらゆる角度から吹くので、対象物の保持 が難しい。一番うまく持てるのは手ですが、ゴム手袋をつけると表面のゴミが 落ち、台無しになることがあります。なので私はもっぱら素手。 手はこんな状態。シンナーで拭きとるので、指の爪だって薄くなります。 20130206_162318.jpg 自分の顔が映るぐらいピカピカに塗れました。でも、どうも色のイメージが違う。 配合を替えて上塗りしましたが、うまくいきません。何度も塗ると厚塗りになって しまうので、思い切って塗り直し。あーあ、また嫌なパターンです。シンナーで拭 いて落とすのですが、防じんマスクをしていても、アルコールに弱い私はクラクラ。 きれいに全部拭きとって、また洗剤で洗ってやり直しです。 029.JPG それでもまた気に入らずに塗り直し。塗料も足りずに買い足しました。こうなると もう迷宮の始まりです。塗っては剥がし塗っては剥がしの繰り返し。ふと思いま したが、最初に選んだ色の系統がそもそも違うのでは?たしかに同じブルーで も、車用ではないので色がくすんでいました。ここで頭を切り替え、車用のブルー を何本も買い集めて調合のし直し。仮吹きするといい感じです。ついに近い色 の完成・・・かな? ここまでに2ヶ月がたってました。 買い集めた塗料 20130206_162428.jpg 3日ほど乾燥させた後、ボディ全体をマスキングして、エアスポイラーを塗装。 20130206_162352.jpg 次に、内装と窓枠を塗ります。あらかじめ、カットされたマスキングテープが付く あたり、さすがタミヤ。親切です。 20130206_162240.jpg 塗り終えた窓枠 20130206_162256.jpg 窓を接着するには神経を使います。透明プラに接着剤や塗料が付いたら、もう 修復不能。窓枠にはめ込んで、慎重に接着剤を流し込みます。ここで痛恨の ミス。接着用の刷毛から、接着剤が糸を引いてフロントガラスとピカピカの屋根の 上に落ちました。しかもど真ん中。あ~もう終わった!!今までの苦労が台無し ・・・と思ったら、糸状の接着剤は瞬時に乾燥し、表面にくっつかずに済みました。 まったく肝冷やもんです。 仮組みして彼に見せることになりました。ところが、改めて実車と見比べてみる と、プラモの方がかなり明るめ。スケールエフェクトを考えて明るめにしたのです が、ちょっと明る過ぎました。なんかガッカリです。でも、もう塗り直す気力があり ません。さらに実物と見比べると、塗装の間違いがあることに気づきました。 実物と色が違うことに落胆し、しばらく創作意欲が失せてました。でも、完成を 待ち焦がれてるようなので、気を取り直して製作再開。マスキングをして間違っ た色を塗り直したら、塗装がはみ出して台無しに。何度塗り直してもうまくいか ず、、またまたドツボにハマリました。家内は、私の絶叫を何度も聞いたことで しょう。自分のだったら、キレて投げつけていたかもしれません(前科あり) 。 フロントの銀のラインの内側と外側の色が逆でした。塗り直してもほとんど変 わりませんでしたが・・・ %E3%83%8820130206_162456.jpg それもなんとか克服し、足回りの製作に入ります。複雑な構造も、タミヤの設計 なら簡単に組立られます。金属製のオプショナルパーツも組み込みました。薄い 金属や光沢を表現するには、金属にかなうものはありません。 %E3%82%A8%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%B3%E3%82%B0022.JPG ホイールの中のディスクがそれです。効果はどうでしょう。金色のブレーキキャリ バーがアクセント。 %E3%83%88%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A4027.JPG こっちは実物です。 %E5%AE%9F%E7%89%A9018.JPG エンジンは、ほぼ一体成型なので組立が楽。写真を見ながら色塗りします。 %E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3024.JPG 塗装が終わったら、最後にプラモ専用ワックスで艶出し。多少のミスは消せまし た。組立前に記念撮影 %E5%85%A8021.JPG 4ヶ月かかってやっと完成 20130206_162603%5B1%5D.jpg 間違えました、こっちです・・・というほどの出来でもないですが。 色味が違うのが残念。薄暗いところで見ると、もうちょっと似ています。 %E6%96%9C%E3%82%81019.JPG %E3%81%BE%E3%81%88017.JPG 受け渡しは12月24日。クリスマスの日に、男同士がニヤニヤしながらプレゼント を渡すのも気持ち悪いですが・・・ 製作途中、ボディに小さなキズが出来たり、ミスで窓にちょっと曇りができたりと、 私としては65点の出来でしたが、彼は120点の出来だとよろこんでくれました。 山の上ホテルで天ぷらをご馳走になりました。ランチで。 エビ3本だけではありません。次々に天ぷらが出て来ました。 20130218_152915.jpg 今度車を買うときは、色は赤か黒にして欲しい・・・ ]]>

スカイマークと中富記念くすり博物館