ある会合で八重洲のホテルに行ったときのこと。駐車場が裏に あるので、ホテルの横の路地に入って交差点で一時停止。左折 して信号が赤なので止まってました。すると、お年寄りがコンコン と窓を叩きます。少し窓を開けると(窓は大きく開けてはいけませ ん)、「旦那さん、交差点で私のこと見えなかった?」と言うので す。 横断歩道を女性が渡っているのは見えましたが、このお年寄りは 見えませんでした。「どうしましたか?」と聞くと、「ぶつかっ たんだよ」と言うのです。私は左折をするとき人一倍注意して、自 分の目で確認するので、絶対にぶつかってないという確信があり ました。でも、強気で言われると万一ということもあります。 「 怪我されたんですか?」と聞くと、怪我はしてないが、押された 拍子にポケットの中の携帯が壊れたと言い、私に見せました。でも、 お爺さんの詰めが甘かった。その携帯は、メチャメチャ古く、コード レスホンなみの大きさだったのです。これを見てピンときました。 もしスマホだったら信じてたかもしれません。 まあ、私も運転歴は長いので、携帯が壊れるぐらいの衝撃だったら 気づくはず。「警察を呼びましょう。」と言うと、「気を付けろ」と捨て 台詞を残して行っちゃいました。びっくりして話を信じ、弁償します なんて言ったら、5千円とか一万円とかもらうんでしょう。時間があ ればほんとに警察を呼んだのですが… 20年ほど前のこと、これも嫌な体験をしました。三車線の道を走っ ていると、隣に並んだ車の助手席の人が何か叫んでいます。窓を 開けると、道を教えて欲しいと言うのです。車の中にはガラの悪そ うなのが3~4人乗ってます。無視して絡まれても嫌なので、路肩に 車を寄せて停まりました。これが間違い。 すると、後ろに止まった車から若い男が一人 降りてきて、助手席の 窓を開けてくれと言います。何気なく開けると、窓から手をいれて ロックを外し、助手席に乗り込んできました(不用意に窓を開けて はいけないとはこの経験から)。そして丁寧に「じつは、高級雑貨 を扱っているが、商談が流れ会社に戻れないので、商品を買っても らえないでしょうか?」と言うのです。 これは、押し売り+泣き売(バイ)のハイブリッド? 押し売りとは、昭和30年代頃にあった悪徳商法で、勝手に玄関に 上がりこみ、前科があることをちらつかせ、脅してゴム紐などを売り つけること。 泣き売とは、やはり同じころ、路上でサクラと悲惨な話をし、周り の人の同情をかって品物を売ること。 (参考図書 サザエさん) 最初は、アタッシュケースごと10万と言ってました。見ると、一見 オストリッチ風の財布、高級風ボールペン、高級風ライターなど。 でも、絶対偽物に決まってる。この男、言葉は丁寧ですが、私が いらないと言っても引き下がりません。20分ぐらい粘ったでしょう か。お金を持ってないと言い張ってると、ついに「いくらでもいい」 と言い出しました。 とっとと降りて欲しかったのですが、対応を間違えると何をされる かわかりません。それに、後ろの車にも仲間がいます。仕方なく、 1万円しか持っていないと言って渡しました。 すると「あなたのような親切な方に会えてよかった。誰も停まって くれないんですよ。」と言うので、「そりゃ当たり前でしょ!」と 言ってやりました。 最後に彼は「旦那さんの幸せをお祈りします」と言って降りていき ました。まともに働けば、良い人だったのかもしれません。 商品?見かけよりひどいクズでした。まあ、一万円の被害で済んで よかったです。 ]]>