ケースに入れてそれなりに。 訪問したのは御殿場の「自衛隊 富士学校」という、陸自 の幹部を養成する学校です。 入口の衛兵は、市ヶ谷の自衛隊正門の衛兵と違って銃に 弾倉を装填してました。つまりいつでも発砲できる体制。 敷地内でも隊員が銃を携行して歩いていて、他にない緊 張感がありました。 最初に、資料館の1室で総務の方から富士学校の概要 の説明がありました。歩兵、戦車、火砲、通信などの クラス?が一カ所にあるのは世界でも珍しいそうです。 その資料館のガラスケースに、自衛隊車両の模型が沢 山並んでました。聞くと、隊員の中にもマニアがいるそ うです。 塗装はまあまあだけどみんなよく出来てる。ヤバイ! 戦車の試乗は月に1回関係者のみで行われているそう ですが、今回は我々の為にセッティングしてくれたと聞 いて恐縮しました。 外に出ると午後を待たずに小雨が降ってました。小雨だ からまだ大丈夫そう。ここまで来て中止だったら・・ グラウンドに着くと、そこには黒っぽい大きな戦車と、 6~7人のスタッフがスタンバイしてました。 まず隊長から説明が。 試乗するのは90式戦車といって1990年に正式化された 1世代前の戦車です。でも、いまだ現役だそう。 最新の戦車は演習で酷使して稼働率が悪く、今回用意 出来なかったそうです。まあ、乗れるだけでも。 昔の戦車の搭乗員は4~5名いたそうですが、いまは 自動化が進み、車長、装填手、操縦士の3名だけ。 「自衛隊も人手不足で」と冗談を言ってました。 いまは危険な仕事に就く人がいないそうなので、その うち昔のフランスみたいに外人部隊が出来るかも。 以前は、試乗専用としてエンジンデッキの上を柵で囲 い5~6人が乗るスタイルでしたが、今回は砲塔の中に 入って本物の戦車兵と同じ目線で見れるとのことです。 試乗の前に、見学者用のコートとヘルメットを貸してくれ ました。だんだん雨が強くなる。 さあ、いよいよ試乗。 後ろのデッキから乗ると見た目以上に大きく感じます。 左の煙突みたいのは環境センサー。 砲塔のハッチから覗くと、1mほど下にステップがあり、 そこに降りるのだそう。ちょうど、ドラム缶の上から入る 感じで腕力がいります。現役の戦車なので内部は極秘。 見えないように周りはキャンバスで覆われてました。 左が車長、右が砲手(私)。私もしゃちょうですが。 上半身を露出して出発。場所がグラウンドということも あるでしょうが乗り心地はわりとよく、音もそれほど大 きくありませんでした。 こういうアングルはなかなか撮れません。 直線で50キロほど出て、雨が顔に当たってビショビショ。 隊員はこんなこと日常なんでしょうね。 砲塔に入るのも大変でしたが出るのも大変。引きづり出 されるのはカッコ悪いので、必死に懸垂のように腕力を 使って脱出。いやー、戦車兵にはなれません(当然)。 試乗メンバーが5人だったので、最後にもう一回誰か乗 れると言われジャンケン。負けました。 試乗で2回乗った人は始めてだそうです。くやしー。 昼食は食堂で、富士学校の副校長と幹部の方とで隊員 食を食べました。副校長は空挺隊出身で、イラクに行 った苦労話とかいろいろ裏話が聞けました。 お昼は有料。たしか370円ぐらい。 その後売店に案内してくれました。お土産というより 実際に隊員が使う実用的な物が多く、面白い物が揃っ てました。時間が10分しかなく残念。 自衛隊御用達。 その後、校長を表敬訪問。廊下のガラスケースにも車 両の模型がずらり。お土産渡しづらい、やめようかな。 校長は戦車隊出身ということで、こちらもいろんな話 が聞けました。現在他国の軍隊が本土に上陸してくる 可能性はほとんどなく、本土で戦車の必要性は低くな っているとのこと。今後戦車は南や北海道に移し、 ゲリラなどのテロに対してスピードが出て即応力のあ るタイヤ式の車両を増やしていくとのことでした。 こんなやつ。これは戦車とは言わない? 砲弾やミサイルの種類はいろいろあって、中には1発 1億円もするのがあるそう。対費用効果を考えると、 安いポンコツの目標には使えないと話されてました。 みんなに促されてお土産を贈呈。すると校長が、私が 作った車両を見て、これに乗せてあげましょうかと言 ってくれました。作ってきてよかったー。 今度はオスプレイを作ってこようっと(正式導入決定)。 ちなみに、私が作って来た車両の正式名は軽装甲機 動車で通称LAV(Light Armoured Vehicle)というそう。 かわいらしい略称で、キリッとしたみなさんが「ラブ」 「ラブ」と呼んでいるのがちょっとおかしかったです。 みんなで記念写真を撮り、最初の資料館に移動。 ここには、江戸時代末期に創設された旧陸軍の資料や、 自衛隊の前身である警察予備隊からの資料が並んでま した。中でも目玉は、靖国神社が欲しがってるという 明治天皇の正装。ここにしかないそうです。 雨の中グラウンドに展示してある車両を見学しました。 初期の自衛隊で使っていたアメリカの払い下げ戦車も あり、某模型メーカーが寸法を計りに来たとか。 すると、そこに残念なお知らせが。 校長が乗せてくれると言った「ラブ」が出払ってて手 配できなかったとのこと。残念! でも気持ちだけでも嬉しいです。 私が作ったのはこの車両。イラクにも派遣され、よく ニュースに映っていました。私が作ったモデルもここ に模型メーカーが来て採寸したのかな。 雨に降られましたが、戦車に乗れて貴重な体験が出来 ました。 自衛隊についてはいろいろ意見があるでしょうが、こ れらの兵器を保持しているからこそ他国への抑止力に なり、侵略も受けずに平和に暮らせていられるのだと 思いました。 ]]>