! 近年、医薬品の成分表示が生薬もカタカナ になり、人参の表記がただのニンジンになりました。だから ややこいんです。 もともと日本にあったのは人参で、二股に分かれたその形が 人の姿に似てることからその名前がついたのだとか。 江戸時代より前は朝鮮半島から輸入してましたが、徳川吉宗 の命によって世界で初めて栽培に成功し、各地の大名に「御種」 を分け与えました。そのことから御種人参(オタネニンジン) とも呼ばれています。 結局、栽培に適した条件(夏は涼しく冬は極寒)の福島、長野 が残り、いまでも薬用の人参は国産品が多く、品質がいいの です。 江戸時代以降、現在の野菜のニンジンが輸入されました。 人参に形が似ていることから「せりにんじん」と呼ばれまし たが、名前のとおりこれはセリ科。薬用人参はウコギ科です からまったくの別物です。そして私は大嫌い。 人参は大きくなるのに5~6年かかります。その間、生えてい る長いひげを地中に延ばして養分を吸収しつくすので、人参 を収穫した後の数年はそこで作物を栽培することが出来ない のだとか。だから、自律神経の安定作用や滋養強壮など優れ た効果があるのもうなずけます。ちなみに、このひげだけで も高く売られています。 以前、工場の敷地で人参を栽培したことがありますが、全部 モグラに食べられました。このモグラたちは爆裂パワーで地 中を掘って地球の裏側まで行ったかも。 韓国では料理に使ったりお茶にしたりしますが、日本では主 に医薬品の原料に使います。じつは、そのまま食べると、 とってもえぐくてまずい。工場で焼酎漬けにしたこともあり ますが、バツグンのまずさだったとか(社員談)。 ここで話を戻します。 工場に入荷した人参は、まず水洗いして乾燥させ細かく刻み ます。 それを金属探知機に通して検査。 産地からの流通過程で万一金属が混入していたら大変です。 小さなお子様が飲む薬ですから、原料のチェックは慎重に。 これを更に粉末にして原料になるのですが、こうして一つ 一つの生薬を手間をかけて加工し、宇津救命丸は出来てい るのです。]]>