彼はむかしのスズキフロンテが好きで、実物を買って乗っているのですが、 そのミニカーを中古で見つけ、自分の車と同じ色に塗って欲しいと頼まれ ました。 そのミニカーを見せてもらって唖然。写真のようにガッタガタで、一部塗装 が剥がれ、実車だったらスクラップもいいところ。 希望は塗替えだけでしたが、このまま塗るだけじゃ私の職人魂が許さない。 それを彼も見抜いていた?? これはひどすぎ・・・ 日本のミニカーは、子供が遊ぶことを前提に作られているので、丈夫に肉 厚になってます。さらにドアなども開けれるようになっているので、ボディ とドアに大きな隙間が。これだけでもなんとかしたい。 分解してみると、車輪やバンパーは他のモデルと共通らしく、車体のライン に合ってません。ん~、制作意欲が削がれる。でも作りなおすのは大変な ので目をつぶりましょう。 車軸の幅が狭く不格好なので、途中でぶった切って延長しました。 まず、紙やすりでボディの研磨から。かなり古いものらしく、塗装面が荒 れてます。目の粗い紙やすりから順番に使って磨き、表面をツルツルに。 次に隙間を埋めますが、ドアが開かなくなることは了承してもらいました。 むかしの日本のプラモデルもミニカーも、遊ぶことを前提にあちこち可動 するように出来ていたため、外国製に比べて精密感がありません。考え方 の違いって面白いですね。 隙間をなくすため、ボディの淵に厚みを持たせます。プラ板を細く切って 貼り、瞬間接着剤で固めます。パテを使わず時間の節約になるので便利。 でもそううまくはいかず、実は何度もやり直しました。 ミニカーのテールライトは2つ目ですが、彼の愛車と同じ4つ目にして欲 しいと頼まれてます。直径が同じくらいの丸棒を薄く輪切りにして貼り付 けました。 とりあえず完成したら、下地用のスプレーを吹いて表面の傷や継ぎ目の段 差をチェック。この段階で依頼主に見せると、「まるで板金屋さんみたい」 とお褒めのお言葉をいただきました。 再び表面をを磨き最終塗装に。今回の以来は薄いクリーム色なので、白に 黄色を混ぜれば簡単・・と思ったら、以外にいい色が出ません。また迷宮 に入りそうだったので、美大を出た義理の妹に配合を相談しました。 何度か塗り直しをして塗装は終了。さらに表面を磨きますが、下地が悪い 上にスケールが小さいので、ピカピカにならなかったのが心残りです。 細部に色入れをして完成。 before after 彼が持っている当時のカタログの写真と比べると・・・似てない! まあ、これは私の責任ではありませんが。 ]]>