長男の入社

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会社の世襲には賛否両論あるでしょうが、4百年の伝統 を受け継ぐためには息子に継がせないわけにはいきま せん。昔は企業でなくて家業でしたから、古くから続く家 庭薬メーカーは、ほとんどが同族企業です。 私は薬大を卒業してすぐうちの会社に入りました。社会 のことは何も知らず、社長の息子ということでさぞ周りも 扱いにくかったことだと思います。 入社して最初は研究室に1年間席を置き、その後、営 業部・工場・宣伝部と1年づつ勉強してきました。 一番つらかったのは営業部勤務です。当時は歩きで、 販促物の入った重いバックを持って暑い日も寒い日も雨 の日も、20件近い小売店を訪問していました。 いろいろお叱りを受けたり親切にされたり、それはそれ で勉強になったと思います。 そんなこともあり、もし息子を入社させるならいろいろと 社会勉強をさせてからと決めていました。 最初の就職は自分で探させ、コンピューターの会社 に1年半勤めました。その後、営業を学ばせるために同 業のメーカーで2年、経理を勉強させるために会計事務 所に3年、ついでにそこの新規事業で1年近くお世話に なりました。 自分では、業界の中ではまだ若手と思っておりました が、もう息子が入社する歳になったのか・・・35年前の 自分に照らし合わせると感慨深いものがあります。 私が入社したときは、まだ祖父が会長として現役でし た。もし父が存命だったらさぞよろこんだと思います。 息子が「第19代当主」となる日はいつでしょう・・ ]]>

命のスープ