薬が足りない

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いま、調剤薬局を経営する友人や知人が嘆いているのは、医療用の
ジェネリック医薬品が不足しているという話。先日、NHKでも
特集をしていました

 

そもそもジェネリック医薬品とは、最初に創られた医療用新薬
(先発医薬品)の特許が切れたあとに販売される後発医薬品で、先
発品と同じ有効性、効果、安全性が同じと認められた薬です。
開発費が抑えられている分薬価※が低く、医療費抑制のため政府
が推進しています。
※薬価とは、医療保険が適用される医療用医薬品(医師が処方する
薬)の価格で、すべて国が決めています。

 

患者にとって医療費が安くなることは歓迎すべきことですが、ジェ
ネリックが先発品とまったく同じという訳でもありません。
カレーのように入れる材料は同じでも、玉ねぎをどのくらい炒め
るとか、野菜をどう調理するかによって味が違うように、成分は
同じでも製造方法が違うと微妙に効果も違うといわれています。

 

そのジェネリックが不足している原因は、政府主導でジェネリック
の市場が拡大している最中、2020年に製造に関わる不祥事が発覚し、
その後続々とジェネリックメーカーが製造上の過ちを認めて製造を
停止したことによるものだそうです(NHKより)。

 

ジェネリックの薬価は2004年は先発品の7割だったのに、2016年
には5割に減らされ、その上少量多品種で収益が悪化。コスト削減
が命題の中で起きた事件だとか。

 

薬機法(薬事法)違反があると数ヵ月単位で製造停止になるため、他
社がフル生産をしても製造が間に合わず、それに輪をかけるように
ウクライナ問題、中国のロックダウンで原料の入荷が滞り、品不足
に拍車をかけているようです。

 

ジェネリックが足りないのなら、少し高くても先発品に戻したら?
そんな疑問を現場に聞いたら、ジェネリックが出た時点で先発メーカー
は製造を減らしているそうで、注文が殺到してもやはり供給が間に
合わないそうです。

 

一番困るのは患者さんですが、処方箋が来ても薬が入ってこない薬
局も大変。国民の健康、いや、人命にさえ関わる問題です。
後進国ならいざ知らず、医療大国日本でこんなことがおきるとは。

 

 

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