年賀状

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今年も、公私にわたり沢山の年賀状を頂きました。

 

年賀状のルーツは平安時代からといわれ、いまのハガキスタイルに
なったのは明治6年からだそうです。

 

その長い歴史に終止符が打たれるのか、最近は年賀状を廃止する企
業が増えて来ました。理由は「CO2排出削減の環境保全のための
ペーパーレス化」とかなんとか。
そういう我が家も今年で年賀状を止めることにしました。理由はそん
な大そうなことではなく、単に才能の枯渇です。

 

年賀状にイラスト(マンガ)を描き始めたのは約40年前。きっかけは、
一世を風靡したプリントゴッコの登場でした。まだコピー機が普及
していない時代、それまでの版画では細かく描けなかった絵が描け、
しかもカラーで(というよりは色付きの線)でプリントできるのです
から画期的でした(版画を掘るのが苦手だった)。

 

やり方をよく覚えていませが、たしかイラストを描いてフラッシュ
で用紙に焼き付け、紐のような物で仕切って絵の具を盛り、ハガキ
に1枚づつ刷っていくというもの。
色を塗るというより、線や文字に色がつけられるという感じで、
けっこう作業は面倒くさかったですが、当時はそれで大満足でした。

 

極初期の約40年前の年賀状。趣味は今でも変わりません。

 

ウチでは1年に1回しか使わないから、いざという時にフラッシュ
の使い捨てのライトが無いとか、何が無いとか大騒ぎ。今みたいに
翌日届く通販も無かったので、わざわざ池袋のデパートまで買いに
行きました(たしか池袋のビックカメラはまだカメラ専門の
ディスカウントストアだったような)。
やっとプリントを始めても、今度は絵の具がにじんだり、量が足り
無くなって補充したりと大変でした。

 

その後コピー機が普及してきて、そんな手間がいらなくなりました。
でも如何せん白黒なので、大事な人だけ1枚ずつ色鉛筆で色を塗り
ました(白黒だった人ゴメンナサイ)。

 

会社にカラーコピー機が入ると、総務の女の子に頼んで印刷して
もらったこともありました(もう時効です)。
その後プリンターも安くなり、自宅でカラーで印刷することが出来
るようになったので、とっても気楽になりました。

 

でも、その年賀状の案を考えるのが大変でした。子供が小さいとき
は子育てネタ。子供が大きくなったら、当時いろんなことをしでか
した母親や、当時の飼い犬のネタ。それもみんないなくなると・・
夫婦二人きりじゃそうネタもありません。

 

案が出来ても、それをイラストで描くのは私。うまく描けない時は
ペンを投げ、「絶対今年限りで止める!」と何度わめいたことか。
案も絵もうまくいかない時は、絶不調の漫画家の心境。うまくいっ
たときは、家内と二人でほくそえみました。

手前味噌ですが、ウチの年賀状はまあまあ好評だったようで「いつ
も楽しみにしています」と言われました。私の母の妹は、栃木県下
ではまあまあ著名人で、何百枚も来る年賀状の中から一番にうちの
年賀状を探す程楽しみにしてたそうです。

 

アイデアが出なかったり、作画が間に合わないときに、何回か違う
年賀状を出したことがありました。愛犬の写真の年賀状を出したと
き、その叔母が何百枚の中からウチのを見つけ、「な~んだ、犬か」
と言ってガッカリしたとか。嬉しい反面、年々プレッシャーになっ
てきました。

 

不評だった愛犬の写真の年賀状。かわいいのに。

今年の年賀状に「今年で筆納め」と書いたら、「残念だ」とか「
まらない」とか言ってくれましたが、某有名シンガーソングラーター
じゃないけれど、才能が枯渇する前に惜しまれつつ引退した方が・・・
なーんて。

 

最後の1枚。孫が初期の年賀状に描いた子供とほぼ同じ歳になりました。

じつはウラ話が。ほんとうは・・・
うちのパソコンが壊れていて、あて名書きは妻が書いていたのです
が、もう書くのは嫌だとクーデーターが起きたのです。。

 

本年もよろしくお願いします